2020年2月26日水曜日

ちょっと不思議なあたたかいお話

 友人のNHKディレクター辻さんから電話があったのは21日金曜日。長島愛生園で生活しているKさんに取材をしたいからアポを取ってほしいとのこと。夕方、Kさんに連絡をすると「妹が死んで、駿河の療養所で葬式をすませ今帰ってきたところ。」と言う。
妹?駿河?愛生園に通いはじめた9年前からお世話になっているKさん。彼に妹がいて、しかも駿河療養所に入所しているとは全く知らなかった。結婚して出産してからの発症だったという。少しでも子供の近くにいたかったので遠い愛生園ではなく駿河を選んだそうだ。なんだか悔しくて悲しくて、やりきれない思いが湧いてきました。
 その夜、駿河療養所を訪問した時にお世話になった女性が「駿河療養所の友人から電話があり、えみこさんが亡くなり、彼女の90歳になるお兄さんが遠い療養所からお参りに駆けつけてくれた」とフェイスブックに投稿されていました。すぐにKさんとわかりコメントしました。「たまたま今日、そのお兄さんと電話で話しました」と。すると「えみこさんの写真が何枚かあるからお兄さんに渡したい。名前を教えてほしい」との返事。その旨、Kさんにも電話しました。Kさん、とても喜ばれていました。「その写真、僕にも見せてくださいね」そう約束して電話を切りました。
 Kさんに電話をしなければ知らなかった。フェイスブックの記事を読んでも気がつかなかっただろう。もっと言えば辻さんの熱心な取材がなければ電話さえしなかった。
 偶然に偶然が重なり、えみこさんの写真がお兄さんの手元に届くことになりました。
 えみこさんが結んでくれた縁になんだか心があたたまり、素敵な1日にでした。

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